ここをクリックしてください。



旅するPowerBook

11 ; 新刊。それはPB G4

 2001年1月10日。新しいPowerBookが発表された。PowerBookG4である。人に会っても雑誌を見てもサイトを閲覧しても、PowerBookG4の話で持ちきり。当然だろう。多くの人が期待していた。チタン合金製。銀色の筐体。薄い。画面が広い。処理速度はG4だから、これまでのPowerBookでは一番。実に気をもむ話である。新しいマシンが出て欲しくないわけがない。触りたくないわけがない。これでまた、新しいPowerBookを使えるのだ。どんな点が改善されたか気になる。もちろん、相変わらず2.5kgという重さを含めて、使い勝手がよくなったとは、必ずしもいえまい。新しいマシンだから、どうしてこんなことにと、首をかしげたくなる点があるだろう。それを時間をかけて改善するのか。改善しないまま、さらに次のマシンを発表するのか。そうしたことすべてを含めて気になっている。
 しかし、400MHzマシンが298,000円、500MHzマシンが398,000円。買えない。これははっきりしている。私はG3/333でまだまだしたいことがある。G3のために、PCカードで接続するハードディスクケースを買った。拡張ベイに内蔵させるZipドライヴを買った。SCSI接続できるから、外付けのハードディスクドライヴを生かせる。FireWireカードを買えば、最新の接続機器にも対応させられるだろう。しかも、このマシンをよりよく使うためのキーボードを、PowerLabが開発している最中だ。私だけでなく多くの人が、まだまだ使い切ってはいないはず。また、私にとってのかつてのメインマシン、3400cのために、「PB3400cを普通に使う会」を作った。550cや100シリーズも使ってあげなくてはならない。性懲りながら、どうすれば190csを再び手にすることができるのかということも頭の隅で考えている。そうしたことをわかっていて、私はPB G4に関心が向く。DVDの再生機にしようとは思わないが、そのキーは叩いてみたいと思う。
 先に、100シリーズを例にあげて、PowerBook古本説を唱えた。他人の手垢がついた古本を愛でるように、私は中古やジャンクの100シリーズ、PowerBookを愛でているのではないのか。PowerBookも本といわれるだけのことはある、物、形、存在感を愛する人の心をくすぐるのでは、と。その考えでいけば、PB G4は、まぎれもない新刊。銀色のチタン合金製という外観とあいまって、少しの手垢もついていない新刊である。いま買えば、誰のものでもない私自身の手垢をつけられる。私のものとして、汚しもでき、磨きもでき、壊れれば直しもできる。しかし……、298,000円と398,000円、か。やっぱり、高い。いずれは買うのかもしれないが、試してみたい、叩いてみたいという気分で、そんな金を出すわけにはいかない。せっぱ詰まった理由は他にないのか。それが見つからない限り、今の私にとってG4は、あまりにも高い本。もともと私、高い本というのはあまり好きではないのである。文庫本、それもよれよれになった古い文庫本が好き----。何だ、買わなくってもいいじゃないか。
(この項、つづく)




旅するPowerBook 目次へ

POWERBOOK ARMYバナー