「3400cを普通に使う会」タイトル

第1週:01年1月10日〜1月16日


朝日を浴びて輝く3400
3400cが朝日を浴びて輝いています

2001年1月10日
 この日を「PB3400cを普通に使う会」設立日とする。

1月11日
 この設立日というのは、会の設立を思いついた日で、それ以外にさしたる理由はない。それに断っておきたいのは、あくまで普通に使う会であるということ。改造系ではない。3400を工夫して使おう、最強の3400cを作ろうという人には、何の役にも立たない。私が使っているのは、Apple社から発売された3400c/200。これをノーマルのまま使っている。メモリは144MB、ハードディスクは2GB。当たり前の数字である。3400cのために用意した周辺機器にしても、4GBの3.5インチ外付けハードディスクが2つ、SCSIの100MB外付けZipドライヴが2つ、3400cだけのためではなく、シリアル接続のプリンタや、PCカードスロットに挿して使う2.5インチの外付けハードディスクケースなどがあるが、まあ、そんなところである。このように、他人様に自慢することなどひとつもない私が、なぜ、普通に使うのだといいながら、会の存在を公開し、原稿を公のものとするのか。このあたりの事情については、サイト「IRREGULAR」にある『旅するPowerBook』、そのうちの「進化形としての3400c」をお読みいただきたいのだが、まずいえることは、私は改造するということに、あまり興味が抱けない。

1月12日
 改造におもしろみがあるだろうことはわかる。オールドマックを愛していて、歳月が経ってもなお使いたいから、現役のマシンとして使用に耐えるように改造してみようと思う。当然だろう。例えば私の場合なら、PowerBookの100シリーズを好きだから、それをG3マシンにしてしまう。こんなことは不可能なのだろうが、しかし、挑戦して悪い話ではない。100シリーズマシンのロジックボードを、G3マシンにできるものに入れ換えてしまう。できないに決まっているが、マシンを移動させることを考えず、机に置きっぱなしにして、マシンの背面からロジックボードがはみ出しているという図に見苦しいものを感じなければ、試してみてもいいかもしれない。しかし、私はそれをしない。そんなことをしたら100シリーズとはいえなくなるから。

3400内部画像1   3400内部画像2

3400cの拡張ベイをとりはずして撮影、しただけです。改造に凝っているわけではありません

1月13日
 幸いというべきか、3400cは100シリーズほど古いマシンではない。2001年に正式版が発売されるOS Xは使えないらしいが、PowerPcが搭載されているから、OS 9までは問題なく動く。G3マシンほどではないが、初期のPowerPC搭載マシンに比べれば処理速度は速いに決まっているし、ましてや68Kマシンの100シリーズなどは比べ物にならないのである。何といっても、発売は1997年5月である。たかだか4年前だ。大学生ならまだ卒業していない。今からお払い箱にしてどうするのか。しかし、これはあくまで私自身にいっていること。他の人が3400cを手放して、例えば新発売のPowerBook G4 Titaniumu購入の資金源にしようとする。いいのではないだろうか。ついでに、手放そうとする3400cが私のもとに回ってくればなおいいのだが、今度は私に、ネット上のフリーマーケットでは6万円台で売りに出していた人がいた。一瞬、買おうかと思ったが、私にはそれだけの金すらない。ひたすら、手元にある3400cを使い続けるしかない。近しい友人に、私のマシンより上位の、3400c/240を使っている人がいて、近い将来、いや遠い将来でもいいが、その人物がマシンを手放してもいいと考えたら、何がしかの金を払って私が引き取ろうと思っている。しかし、それまで私が使うのは、3400c/200。何の変哲もない、普通のマシンである。

1月14日
 実をいうと、今日における私のメインマシンは、3400cではない。PowerBook G3/333である。な〜んだ、それでよく、「3400cを普通に使う会」主宰だなんていえる、ということになりそうだ。そうなのである。いわれても仕方がない。しかし私としては、だからこそ、3400cを普通に使うことが難しいといいたい。メインマシンでないものは、普通に使うことすら難しい。改造することなど思いも寄らないのである。
 私は3400cをもっと使いたい。使い切りたい。発売時の、200MHzマシンが約60万円、240MHzマシンが約70万円という金額ではないが、私もそれなりの投資をして購入している。購入時から何年か経っているし、その間、3400cを使ってたくさんの原稿を書き、原稿料を得てきたから、投資に見合った買い物であったとは思っている。しかし、もっと使っていたい。投資額を上回るほど使いこみたい。それならなぜG3を買った? と反論されそうだが、それは素直に、私もG3マシンを使ってみたかったからだと答えておこう。G3マシンの力を話にだけ聞いて、使ったことがないのでは話にならない。3400cとの比較もできない。それ以前のマシンとの比較もできない。もちろん理由は何とでもつけられるので、これは話半分に聞いてもらっていい。少なくともG3/333は、投資に見合った買い物である。ただし、本多購入費は、いまでも月賦で払い続けているが。

1月15日
 3400cを買ったことで、私の家計は大きな圧迫を受けた。およそ2年間、月末になると、銀行の預金残高がゼロになり続けた。わずかなたくわえすらないのである。これで病気になったらどうするという不安は私を責めさいなみ、事実、入院もしたことがあって、とても困った。ただ、思い出したのだが、その入院時、ベッドに持ちこんだのは、3400cではなく、サブマシンの190csであった。これは若干、後悔することである。そのころは、外に持ち出すのは190cs、自宅で使うのは3400c、仕事場で使うのはLC630と決めていた。私のPowerPc化が遅れていたことをわかっていただけるだろうが、それはともかく、病院に3400cを持っていかなかったのは、仕方のないことではある。役割分担が決まっていたのだから。しかし今にして思えば、つきあわせてあげればよかった。大事にしすぎて、普通に使ってあげられなかった。こういうことが後悔の種になる。190csは病院の公衆電話に接続され、メールのやりとりやサイトの閲覧に力を発揮した。3400cなら、同じことを、もっと速い速度で行えたのに。

1月16日
 少なくてお恥ずかしいが、私には2冊の著書がある。そのいずれも、PowerBookを主に使って書いたものである。1995年刊行の『横尾忠則365日の伝説』(新潮社)。これを書くのに使ったのは、150と190csである。そして1997年刊行の『伊福部昭・音楽家の誕生』(新潮社)。こちらのために使ったのも、150と190cs。そうか……。いまさらにして思う。150と190csは、私のために働いてくれていたんだな、と。そして、逝ってしまった。それぞれについての思いを改めて書くこともあろうが、とりあえずは、『旅するPowerBook』を読んでいただきたい。しかし、3400cを使って書いた原稿は、いまだ本になっていないのである。これが悔しい。ないままに、私のメインマシンはG3に移ってしまった。G3だって著作がないのだが、こちらはとにかく、サイト作りにフル稼働している。著作とサイトとどちらが重要かという話もあろう。世間一般では著作の方に重きを置くだろうが、今日ではサイトも軽くは扱えない。だからG3は今、大いに働いているところである。では、3400cは? 著作もなく、サイト作りにも力を発揮できないまま、サブマシンになった。


3400システムCD所収デモ画像.13400システムCD所収デモ画像.2

3400c付属のシステムCDに収められたデモ画像の一部


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