「3400cを普通に使う会」タイトル

第3週:01年1月24日〜1月30日


3400のキーボード

とりはずして立てかけました。液晶画面に傷がつく……

1月24日
 3400cは、現在、どのくらいの値段で買えるのであろうか。この原稿を書くために、札幌にあるdo-夢のサイトを確認すると、次のようであった。200MHzモデルで、メモリが最大の144MB、ハードディスクは出荷時の2G仕様なら、108,000円。240MHzモデルで、メモリが16MB、ハードディスクが3Gだと99,800円。東京のChampでは、200MHzでメモリ48MB、2G仕様が95,000円、240MHzでメモリ16MB、ハードディスク3.0G仕様が105,000円。ついでに、3400がアップグレードされた感のある初代PowerBook G3は、メモリ160MB、ハードディスク4.7Gで148,000円であった。秋葉原や新宿の店では、8万円台で売られている3400cをいくつか見ている。だから、おおよそ8万円台の後半から9万円台の後半、さらに10万円台前半といえるだろう。これまたついでにいうと、秋葉原で、初代G3が約13万円で売られているのを見た。英語キーボードだったから胸がときめいたが、もちろん、触っておしまいである。
 3400にせよ、G3にせよ、安くはない。しかし、高くもない。微妙な値段だ。あと数年かしたら、IIfxのように、2,000円か3.000円で自分のものにすることができるのだろうか。私に買えるのは、新宿の中古屋で、限定1台として売られていた190cs、40MBまでメモリが増設されて15,800円で売られていた、そのようなマシンだけである。さらに、そのくらいの金を出すのならと、約18,000円で売られていた5300csも捨てがたい。3400とは関係ないが、5300や190のシリーズは、同じ流れにあるマシン同士であり、どうしても、3400に関連づけて見てしまう。それにしても、自由に使える金が8万円から9万円あれば……。すぐにも、もう一台、3400cを買うであろう。

1月25日
3400cのための鞄を用意した。ここしばらく、メインマシンの座をG3/333に奪われ、静かにしていることを余儀なくされた3400c。そのマシンを普通に使おうとしている私である。PowerBookだから、当然のように、外に持ち出すための鞄が必要となる。しかし、私がコンピュータを入れるために用意した、緩衝材を詰めこんだ二つの鞄には、すでに先客がいる。G3/333と、ThinkPad iシリーズ1200。そこで押入れから古ぼけた鞄を引っ張り出したのだ。以前、オーディオメーカーのP社に勤める人から、150を買った。じかにあって物と金の受け渡しをしたのだが、その時に、これに入れて持って帰ればどうかというので渡された鞄なのである。合成皮革だろうが、くたくたになっている。黴も生えている。しかし、PowerBookを入れるにはちょうどいい大きさだ。表面にポケットが二つあるので、これに予備のバッテリーやCD-ROMドライヴを入れればいい。さっそく表面の汚れを拭きとり、緩衝材を詰めこんで、3400cを入れてみた。悪くない。これで鞄にも使い道ができた。しかし、気になっていたものがある。鞄に取りつけられた、銀色の金属板である。アルミ製だろうか。その表に、GKという文字が彫られ、朱を注ぎこまれているのである。鞄を受け取ってから一年近く経つのに、まったく気がつかなかった。GKの下の小さ文字をしげしげと見ると、それは東京西部にある、予備校の名前の頭文字であった。P社の彼は、この予備校に通っていたのか? あるいは彼の子供が通っていて、教材を入れるのに使っていたのか? 鞄の前世を見るようで、なかなか興味深い。しかし、私はその予備校には少しも縁のない者。おまけに今は、私の鞄となって、3400cが入っている。前世を引きずらないよう、ペンチで留め金を断ち切ってやった。

3400が入った鞄

某予備校の鞄から姿を見せる3400c

1月26日
 Yahoo!のオークションを見ている。3400cのために買えるものが何かないか探しているのである。売り物の数では、フリーマーケットより多い。当然、3400cの本体をはじめ、バッテリーや各種パーツが売りに出される。もし壊れてしまってはという恐れとともに、3400cのために何かしたい、していたいという気持ちが、数多い出品項目の中から、3400c関係のものを探させる。それにしても思うのだが、Apple社が創業したのは1976年。Macintoshが発売されたのは、1984年。PowerBookが発売されたのは、1991年である。PowerBook以前のマックはもちろん好きである。しかし、私は80年代にはPowerBookどころかマックそのものを使っていなかった。当時はワープロを使って原稿を書いていたのである。そして90年代に入り、周囲の人々がワープロからパソコンに切り替え始める、その波にのみこまれるようにして、私の関心もパソコン、それもマックに向いていった。その中で、私は150を買い、190csを買い、3400cを買い、G3/333を買い、さらには中古やジャンクでさまざまのPowerBookを買い、という経験をしてゆく。その途中にはデスクトップマシンも買ったが、やはり、私にいちばんしっくり来るのはPowerBook。だから私は90年代のマックユーザーといっていい。オークションに出品されるものは、片端から買いあさってしまいたいほど。世界的名画を高値で落札し、顰蹙を買った日本の会社があったが、彼らが本心からその絵を欲しいと思っていたとしたら、私もそのようにしてみたい。ただ投機の対象としてなら顰蹙を買って当然だ。しかし、本当にその絵を愛し、私の場合ならPowerBookを愛し、手元に置いておきたいと思うのなら金を注ぎこんでみたいと思うのである。もちろん、私にはそんな金、どこにもありはしないのだが……。

1月27日
 3400cで、初めてフレッツISDNを使ってみた。ターミナルアダプターにつなぐためには、当然だが、USBケーブルではなく、プリンタ/モデムポートに接続するRS-232Cポートを使わなければならない。実はこれ以前にも、550cでISDNを試せないかと思ったが、無理であった。OSの問題だったのか。CPUの問題だったのか。3400cには、G3/333と同じように、OS9.0.4を入れてある。あってほしくないことだが、G3にトラブルが発生した場合のことは、やはり考えねばならぬ。3400cでフレッツISDNが使えたことで、万が一のトラブル時にも、従来と同じようにインターネットできることが確認できた。もちろん、これで安心というわけではなく、万が一の場合、というだけだ。
 今日は東京には珍しく、一日中の雪で、何センチも積もったが、仕事上、G3を持ち出すことを余儀なくされた。怖いのは転倒である。手ぶらで歩いても転びかねないのに、片手でG3が入った鞄を持ち、片手で傘を差す。バランスを失って当然であろう。雪の札幌で、凍った地面に足を取られて転びかけ、150の液晶を破損してしまったことを思い出す。その恐れを少しでも軽減するために、3400cがG3の代わりをつとめてくれることが望ましい。----実はこの原稿、「3400cを普通に使う会」を作ってから初めて、3400cで書いている。え? 驚きの声をあげる人がいるだろう。普通に使うといいながら、肝心の原稿を、3400cで書いていなかったのか、と。申し訳ない。原稿を書いてすぐアップロードしようとすると、どうしてもG3を使ってしまう。使わなければならない。先ほども、数週間前に人から受けたメールを探そうと、G3/333を起動し、3400cを起動し、ThinkPad i series 1200を起動しと、あたふたしたところ。結局、メールはみつからなかった。たまにしか使わないからこうなるのだ。使えるんだから、もっと使わなければ。

1月28日
 3400cを持って外出。昨夜、G3/333で仕事をしていたのだが、どうしたことか、ACアダプターを接続しないままだったらしい。朝になって起動させ、しばらくしたらすぐに、今は予備電力で動いているのであと60秒でスリープ云々の表示が出てしまった。すぐにも外出して仕事をしたかったので、3400cを例の予備校の鞄に入れて出てきたというわけ。私が持っている3400cの電池は、もうだいぶ消耗している。二個あるのだが、いま使っている方は、たったいま起動させたところなのに、もう残り57分と表示されてしまった。仕方なく、表示は16階調グレーにし、輝度は最低限まで落としと、電池の消費を抑えるための調整をしてみた。残り時間は1時間12分にまで戻った。実は、長い間モバイル使用していなかったので、省エネルギー設定をコントロールパネルフォルダに入れていなかった。それがあれば、もう少し細かな設定ができるはず。帰ったらさっそくインストールしよう。ちなみにもう一個の電池も、1時間20分ほどしかもたなかったはずである。3400c用のバッテリーは、新品で約20,000円。本来は買うべきだろうが、つまり190csやら100シリーズに色目を使っているべきではないのだろうが、すぐ20,000円という金は財布から出せないのが現状だ。電池は大きな問題であり、100シリーズなど、電池さえあれば、毎日でも持ち歩きたいところだが、そうはいかない。未使用の電池は売られてはいるものの、中古100シリーズ本体の、間違いなく数倍はする値段である。3400cに関しては本体の方が電池より高く売られているものの、いずれにしても、すぐには買えぬ。いつも思っていることだが、コンビニあたりで入手できる電池を使えるようにしてほしいもの。技術的なことには疎いが、パソコンというものが、大量の電力を消費するものだということはわかる。そのために、マシン専用のバッテリーが各種あるのだろう。しかし、電池の融通がきくようになれば、PowerBookの自由度も、もっと上がるはず。新機種の開発もけっこうだが、それを多少遅らせてもいいから、何とか電池の問題を解決してもらいたい。それができれば、PowerBookG4の発表より画期的なこと間違いなしなのだが……。

1月29日
 イタチョコシステムにてゲームCD-ROM『ニセミジンコのうそひみつ』購入。正月以来、秋葉原へ行くたび、店に足を運んでいたのだが、CD録音中という掲示があって、ずっと店に入れずにいた。それが今日、久しぶりで営業していたのを見つけて、あの細くて長い階段を上っていったのである。店にいたのは店主のラショウ氏だったと思うのだが、自ら会計をしてくれ、その時にいったのが、「お使いの機種は? あまり新しいG3やG4だと、速すぎて動きません」ということ。古いマシンはいろいろあるので構わないと購入した。いわれたとおりG3には入れず、まず190cs、今は3400cで動かしてみた。動作には何の問題もない。しかし、ゲームはしていないのである。ゲームというのはどんなに楽しいものでも、私はすぐ疑問を感じてしまう。簡単にいえば、こんなことをしていて何になるのかということ。1月28日に観た映画『アヴァロン』は、近未来都市を舞台にした、現実と虚構の区別がなくなってしまったゲームフリークの姿を描いている。押井守監督がゲーム三昧の日々を送ったことから発想した映画だという。そのようなことができればおもしろいと思うが、私にはそこまでの思い入れをゲームに対して持てない。だから『ニセミジンコのうそひみつ』も、ラショウ氏には悪いことながら、CDを回しっぱなしにして、音楽を聴いている。ラショウ氏にとってなくてはならないパートナー、オーツキさんの作曲だ。これがなかなか間の抜けた音楽で、楽しいし、仕事の邪魔にならないのである。3400cの、4つあるスピーカーが、フルに働いてくれている。音楽だけを聴く。こういう使い方も3400にはある。明日、もう一度店に足を運んで、今度は『おませなおませな屋台大作戦』を買ってみようと思う。あたかも、「MACLIFE」2001年2月号はイタチョコシステムの特集を行っているし、「MacFan」は音楽製作の特集ページに、CDの製作を進めるラショウ氏を登場させている。地味に活動しているようなラショウ氏だが、根強いファンがいる。かくいう私もその一人なのだが。

格納されゆく『ミセミジンコ』

3400cのCD-ROMドライヴに収まった『ニセミジンコのうそひみつ』

1月30日
 ここ数日、2400cが気になっている。買えるものなら買いたい気分だ。秋葉原をめぐり、Webのフリーマーケットやオークションを点検して安い出物を探している。何? ここは3400cを普通に使う会ではないのか? そのとおりだが、96年から97年にかけて発売された1400、2400、3400は、G3以前のPowerBookを代表するラインナップであろう。1400は「1」という数字の千桁を使ったものであるがゆえに、100シリーズの発展形。2400は「2」の千桁を使ったものであるがゆえに、200番台のPowerBookだったDuoシリーズの発展形。3400は1000と2000を足した3000番台として、前記2つのシリーズの上位に位置するものである。その発展形が、「3」のつくG3シリーズになったというのは考え過ぎか? いずれにせよ、こうした考えでいくならば、Duoの未経験者である私は、唯一、200から2000へとつながるラインに手を染めていない。2がつくPowerBookの集大成は、2400cである。その前の2300cは、PowerPCが搭載された、最後のDuoだった。100シリーズと3400cを使っている私にとって、2400cが気になるのは当然であろう。
 さしさわりがあるといけないのでぼかして書くが、懇意にしている店に、2400cの委託品が約14万で売られている。iBookの新品がそれより安い値段で売られている今日、97年のマシンに対し、その値段は高いような気がする。しかし、CPUをG3化したものであり、ハードディスクを1.2Gから4Gに増やしたものであり、放熱対策も済んでいるというから、それらに費やす金と時間を考えれえば、2400cにしては高くないともいえよう。だから、目標はこの店の2400cを買うこと。知りあいだから、カードではなく、分割払いにも応じてくれるという。その数は3回。となると、ひと月に4万数千円を払い続けることになる。これを3回行うということ。できるのか? 今の時点で2400cを買うことの意味は? 買ったはいいが、使い切れなかったらどうする? そうしたことを考えていこうと、「2400cを買う会」を結成することにした。ただし、あまり会ばかり作っていては収集がつかなくなるので、これは「3400cを普通に使う会」の分室にしようと思う。



3400上の2400ガイド

3400cに乗った『PB2400cパーフェクトガイド』(ソフトバンク刊)


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