
トロッタ15へ
「この演奏会の起源となった歌曲『トロッタで見た夢』の作曲から7年が経ちました。『トロッタ、七年の夢』で、再びトロッタというタイトルの作品を創作することができ、心から嬉しく思います」(酒井健吉から届いた便り)
『トロッタで見た夢』の初演は、2005年8月の長崎。「トロッタの会」の第一回は、2007年2月でした。会は15回を数えます。記念の曲を始め、力作が並びました。
宮瀦カ香の『宇宙でなくした恋』は、作曲者自ら尺八を演奏し、箏と合わせて初めて邦楽器を登場させた曲。
『オホーツクの海』は、トロッタが取り上げる、更科源蔵の詩と伊福部昭の作曲による最後の作品です。
橘川琢の『都市の肖像』第三集より「人生の花束」は、都市とそこに生きる者の心象を音楽で表わす、作曲家のシリーズ作品。
清道洋一の『霧に歌っていた』は、本格的に歌に取り組もうとする作曲家の意欲作。
酒井健吉の『美粒子』は、2006年、作曲者が初めて詩に出会ってから6年目で形にした、その第一番。
『寒戸の婆』は、トロッタ10以来の参加となる田中隆司が、柳田國男の文を楽曲化した類のない歌曲です。
田中修一の『ムーヴメントNo.6』は、東日本大震災の報道で、被災地に営巣する海猫の姿に接した作曲家が、自ら詩を望んで書き上げた、シリーズ6曲目。
そして今井重幸の『協奏的変容〈プロメテの火〉初演の思い出に』では、これもまた初めて、トロッタの舞台にダンサーが登場します。舞台の思い出をよみがえらせ、舞踊音楽も数多く作曲した師に捧げる曲ならではのこと。
前回は時間の都合でかないませんでしたが、今回こそお客様と一緒に、アンコール曲『たびだち』を合唱いたします。
トロッタ記念の第15回に、ぜひお越しください。
春の嵐が吹き荒れた、3月最後の夜に 木部与巴仁
チラシのデザインは、すべて小松史明さんによります。